宇宙は浪漫溢れる場所ですが、現実的な事を考えると別銀河や太陽系外への旅行は想像するしかなくなります。もし将来的にそれが可能になるとしても、出発して着くのが100年後だったりと、どうせ自分は体験出来ないからです。宇宙飛行士になろうと思っている人以外なら自分で行く事は元から考えていませんが、それを観測するワクワクする気持ちも得られないのは寂しいところです。かつて月への到達で世界中が熱狂した事を考えると惜しいですが、今その可能性が残されている事を紹介したいのが火星です。

何故そこかと言えば太陽系の惑星で地球から近いのが火星だからです。もちろん太陽方面には金星などもありますが、灼熱地獄なのでハードルが高すぎるのです。惑星間航行として選択肢の挙がるのが火星で、もちろん宇宙人がいるとかいないとかの話は別になりますが、かつて川がある痕跡があったとか、人工的にテラフォーミングすれば住める可能性を秘めているとかの可能性があるからです。金星は灼熱地獄ですが火星は極寒の寒い大地です。しかし燃えるような暑さに比べれば、凍えるような寒さはまだ人間が対応出来ます。行われている思考実験の概要を言うと苔を繁殖させて気温を上げるという事も考えられており、長期的に現実味のある話になっています。

なにより数年で行ける距離にあるというのが大きく、まだ有人では到達していませんが無人では到達して観測しています。もし将来的に地球が住めなくなった場合、移住を検討されるのは月、そして火星でしょう。その頃には惑星間航行も可能になっており、長期滞在出来る宇宙船も出来ていると考えれば、帰る事を考えない旅に出る可能性もあるのです。実はわずかに酸素が存在するため、そういった環境に強い植物を育てる事も可能だという実験結果が出ています。

つまり地球から持っていったもの以外を現地で育てる事が可能なので、辿り着いた先で自給自足も夢ではありません。植物が育つという事は酸素をさらに生み出せる事に繋がり、太陽光もあるので光合成も出来るのです。すぐにそのまま人間が暮らせる環境とは言えませんが、安全なシェルターを作り、そこを拠点として植物を育てたりして暮らしていく事は、机上の上では不可能ではないのです。もちろん現実にそれをやろうとすると天文学的な予算が必要となります。これを実際にやってくれるのはどこの億万長者なのか分かりませんが、それほどの可能性を秘めている惑星なのです。