宇宙は人類にとって広大で、有人宇宙飛行となると大変ですが、実は無人で探査を行うミッションもハードルは高いものです。日本が誇るはやぶさ2は、小惑星探査機の後継機として、宇宙航空研究開発機構のJAXAが開発、運用を行っている小惑星探査機というのが概要です。
はやぶさ2は初代の打ち上げよりも前に、ミッションが計画されていたことが判明しています。
計画が具体的なものとなったのは、初代のはやぶさがトラブル続きでミッションの遂行が危うい中、何とか地球に小惑星のサンプルを持ち帰ったのがきっかけです。もっと上手くできたはず、そういう思いからはやぶさ2の計画は現実のものになり、初代から得られたデータを元に改良が加えられ2014年の12月に打ち上げられました。つまり名前に2とついている通り正統な後継機で、基本設計が初代と共通する実質的な改良機でもあります。
初代の功績も実は素晴らしいもので、60億kmの旅をしたり、地球重力圏外の天体からサンプルを持ち帰ったのは世界初の偉業です。はやぶさ2の目的はよりトラブルの少ないミッションの遂行で、小惑星のリュウグウに狙いを定めてサンプルを採取、地球に持ち帰るというものです。このように、基本的な機体設計と目的は初代に通じますが、初代で見つかった問題点を解決したり、いかにトラブルの発生を抑えるかに比重が置かれています。
2014年12月3日に打ち上げられたはやぶさ2は、12月5日に本体の健全性の確立を済ませ、翌年の3月3日に巡航フェーズへと移行しました。2年強の長い時間を経て、2018年の2月26日に目標の小惑星リュウグウを映像で捉えています。距離がまだ約130万kmもあることから、映像としては点像ですが、しかし世界で始めて接近して撮影に成功した歴史的一瞬です。2018年9月21日に探査車をリュウグウに投下、着地に成功して新たな偉業が達成されました。2019年3月5日に十分な量のサンプル採取が確認されましたが、6月25日に2回目の採取が決まり、7月11日に実施されています。11月13日以降は帰還に向けた運用が開始され、離脱に成功して離れるリュウグウの撮影にも成功しました。
2020年8月19日に着陸予定のオーストラリア政府から許可が下りたので、10月以降はそれに合わせてカプセル分離予定の12月5日まで精密誘導が行われます。
サンプルを無事に回収してようやくミッションの完遂ですから、慎重に帰還させるのは当然ですし、最後の最後サンプルが回収されるその歴史的一瞬まで目が離せないです。