“幻想的で神秘的な皆既日食を体験したいと考えている人は多いです。毎年のように起こる皆既日食ですが、観測地点を固定すると珍しい現象であることがわかります。皆既日食が起こるメカニズムはシンプルです。太陽系には9個の惑星がありますが、月は地球の周りをまわっています。
1ヶ月で1周しますが、地球上のある一転から見て月が太陽の前を通り過ぎる際に太陽と月が重なると皆既日食が観測されます。皆既日食が起こるのは新月ですが、新月のたびに皆既日食を観測できるわけではないです。地球は太陽の周りをまわり、その地球のまわりを月が回っています。月の軌道というのは地球が太陽の周りをまわる軌道よりも5度ほど傾いた状態なので、新月でも月と太陽が重なって見えないこともあります。
日食が起こるのは、平均して1年に2回程度です。日食には月と太陽の中心がずれて部分的に隠れる部分日食と太陽が完全に重なる皆既日食、金環食があります。地球と太陽の距離は1年間にわずかだけ変化します。太陽が遠く月が近いときは、月が隠してしまう皆既日食になります。太陽が近くて月が遠い場合は、月が隠しきれないので金環食が見られます。
皆既日食は太陽の姿を月が完全に結論ので、太陽の周りの淡い光を見ることができます。昼間なのに空が暗くなり、地平線の付近が夕焼けのようになります。
金環食では太陽を月が隠しきれないため、残った部分がリング状にいえます。金環食よりも皆既日食の方が見どころが多いため、ショーのように楽しむ人もいます。1回の日食では、地球全体の200分の1の範囲が皆既になります。同じ場所で見られるチャンスは稀で、一般的には350年に1回です。何度も見たい場合は、見える場所に出かけていく必要があります。日本の旅行会社が企画する観測ツアーには、多くの参加者が申し込みます。
日本で次に皆既日食が見られるのは、2035年の9月2日です。当日は日本列島の中央部分を中心にして皆既日食を楽しめます。日食は午後10時頃に最大の状態を迎えます。
皆既食では、部分日食では見ることができないコロナを見ることができます。普段は太陽の明るさで見えないコロナを、皆既食のときだけは肉眼で見ることができます。太陽の活動の強さは同一ではないため、コロナの形は皆既食のたびに異なります。皆既食の終わり頃になると月の谷の合間から太陽の光がもれ、ダイヤモンドの指輪のような美しい姿を現します。 “