宇宙には数多くの星があり、その中のいくつかが集まった状態のことを銀河と呼びます。日本では七夕で良く知られる天の川もその銀河のひとつで、地球を含めた太陽系もその一部です。銀河は基本的に円盤状に広がった形をしていますが、天の川銀河を地球から見る場合は内側からの視点になります。そのため円盤の断面図を見るような形になり、帯状に見えるという仕組みです。つまり実際には星が川のように並んでいるわけではありません。
天体を観測する場合、特に星座などがわかりやすいですが、地球の公転の関係で見れる時期が異なるものがあります。しかし天の川の場合は地球が属しているため、場所こそ変わるものの1年を通していつでも見られます。ただ現代では夜間であっても光源の数が非常に多いため、地域によっては光が負けてしまって、視認ができないことも多いです。あくまでも小さな星の集まりで、個々の光はそこまで強くはないからです。
したがってはっきりと天の川を見たいのであれば、まずは場所選びから始めましょう。なるべく人工的な光源が少ない、都会から離れた場所が望ましいです。また標高が高い場所であれば、光が目に届くまでの大気の層が薄くなるので、よりはっきりと見やすいです。また人工的な光源以外に気を付けなければいけないのが、月明かりの存在です。あまりに強い光が同じ夜空にあると、星の光を十分に確認できないでしょう。そのことも考えて、なるべく月が大きくない時期を選ぶことも大切な要素です。
場所の条件さえ整っていれば一目でわかりますが、円盤上になっている天の川銀河は中心近くの方がより強い光を放つため、その方向を中心に観測すると良いです。そして夏であればいて座がその目印になります。その中には北斗七星のようにひしゃくの形をした南斗六星という目立つ星の群れが含まれているので、見つける手掛かりにすると良いでしょう。
そして天体観測では、目を暗闇に慣らすことで小さな光でもはっきりと確認できるようになります。暗闇で長時間いると、次第にものが見えるようになるのと同じ仕組みです。その効果を利用するとより迫力のある景色が楽しめるので、長い時間をかけて観測してみましょう。周りに光源がない状態で数十分待ってみると、目が慣れていきます。その際に注意すべきなのは、星以外の光をなるべく目に入れないことです。手元を懐中電灯で照らしたり、スマートフォンの確認といった行動は止めておきましょう。