宇宙アプリケーションは気象学においても重要で、今や誰もが天気予報でお世話になっています。天気予報は正確なデータと多角的な予測により導き出されるもので、近年はコンピュータの性能向上によって精度も上がっているといえます。また、日々の天気だけでなく温度や湿度の変化と、それによる将来的な気候変動の予測にも繋がります。気象学では、雲の動きを観測するために気象衛星が打ち上げられていました。
それが今では台風や竜巻、嵐などを観測したり、宇宙観測とも深く関わるようになっています。データを分析するコンピュータと共に、気象衛星も進化しており、現在は温度・湿度、風速といった大気中の状態を把握する高機能なセンサーになりました。多角的な分析にはやはり3次元的なデータが不可欠なので、このような進化を遂げたのも納得です。
気象衛星はデータ分析と合わせてシステム化されており、日本を含む各国が研究開発を行っています。気象学の進化と得られた成果は、今後の宇宙開発や宇宙進出においても重要なものになると思われます。一般的には美容のイメージが強いUVの観測も、重要性が高くて軽視できないです。地球に降り注ぐUVは太陽から放出されたものが殆どで、高いエネルギーが長距離を経て地表に到達します。紫外線というと日焼けや肌のシミの大敵な印象ですが、気象学では太陽や地球の大気の変化を知る手がかりとなります。
つまり、身近な存在が実は地球や宇宙を知るヒントにもなり、決してただある存在には留めておけないことを意味します。宇宙気象学は、宇宙で起こる現象が地球にどのような影響を与えるかを調べる分野です。主に宇宙線の影響が研究対象でしたが、この分野の考え方は気象と宇宙の研究の双方に影響しています。従来は、地球上の気候が地球でのみ完結する現象というイメージでしたが、今では何かと宇宙と関連づけて考えられます。
そう考えると、地球もやはり宇宙の一部であって、広大な宇宙で起こる現象が地球の天気や気候変動にも影響している可能性があると分かります。航空宇宙分野と気象分野は一見関係がなさそうに思えても関係しており、気象衛星で得られたデータ、天気や気候の予測で分析された結果は重要です。こういった、異なる分野がお互いに影響することは今や珍しくありませんし、一方の成果がもう一方の研究開発を加速させることもあり得ます。宇宙を調べれば地球の気候変動も分かり、分析を進めることで宇宙開発にも役立つ関係性になっています。